私と結婚してください。
「……ねぇ、向こうのクローゼットの服とかは全部置いてくから」

「は?なんで」

「あそこに入ってる服とかバッグは、凰成が一番最初に買ってくれた物。
私のために買ったんじゃない。凰成が、自分のために姫に買った物だから。
だから、めぐに着てもらって」

「……そ。」

「でも、
それ以外の、凰成が私のために買ってくれた物は全部持っていくから」


いろんな物を買ってもらった。
ルームウェアに、スリッパ。たくさんの服やバッグに靴たち。

どれも、私の宝物だから。
めぐには絶対に譲れない。


「じゃあ、俺行くから」

「あぁ、うん
足止めさせてごめん」


凰成はそういって、私の部屋から出ようと歩き出した。
……でもドアのところで止まって

「俺、あいつとうまくやってくから
……希依も、竜司と仲良くやれよ」

私のことを見ることもせず、そういい残して部屋を出ていった。


「……なに、それ」


私はこんなに辛いのに
まだまだ凰成のそばにいたいのに
めぐと仲良くなんてなってほしくないのに

凰成ばっかり、私と竜司くんのこと気にかけていかないでよ…




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