私と結婚してください。
……落ち込んでてもなにも変わらない。
私も、前に進むように頑張らなきゃ…
「………あ、これ…なんだろ」
とりあえず、渡されたこのプレゼントから開けてみることにした。
竜司くんには見せるなって言われたしね
小さな紙袋から出てきた赤い包装紙をあけると、中からネイビー色の箱が出てきて
それをあけると、細長いシルバーのプレートがついたブレスレットだった。
裏にはKiiと書かれていて、たぶんオーダーメイド?と思われるもの。
わざわざ作りに行ったんだなぁと思う反面、1人で出掛けることなんかほとんどなかった凰成がこれをいつ作りに行ったのかも謎なんだけど。
だって、1人で出掛けたのだって夏休みの帰省の時くらいで…
……もしかして、あのとき作りに…?
いやいや、そんな前から用意するか?私のために。・・・信じられない。
そして、感じんの表面にもなにか文字が彫られている。
・・・ま、……読めない。
え、待って。これ英語?……じゃないよね?
なにこれ。なんて読むの?
ま……、こっから進まない。
そもそも何語なんだろう…?
「希依ちゃんまだー?」
う、わっ!竜司くんきた!!
やば、これ隠さないと…!!
「……って、なに
今なんか隠したね」
「え!?いや、別に…」
こっち来るの早いって!!
さっきまであっちのドアのところにいたはずなのに!!
「……その紙袋、女の子の間では人気のアクセサリーブランドだよね」
「え!?」
か、紙袋…!!
盲点だった!!
「……なに、なんで隠してんの
見せてよ」
「や、でも……」
「…凰成からのプレゼント?」
「……っ、」
目も合わせられず、なにも答えられずに固まっていると、竜司くんは突然私の肩を掴んで振り向かせてきて
「ちょっ…!」
顔が近づき、もうぶつかるって距離で止まったかと思えば
「…見せないと、キスするよ?」
そんなことを言ってくる。
っていうか、凰成もだけどこいつも
キスをいったいなんだと思ってるんだよ…
……でも、凰成とのキスを忘れたくなくて
あの感触を忘れたくなくて
他のキスなんて覚えたくもなくて
「……はい」
素直に、差し出すことにした。
「…最初から出せばいいのに」
「だって…」
「隠すから気になるんでしょうが」
「…だって」
凰成が、竜司くんには見せるなって言うんだもん…
「しかもただのブレスレットだし……、ん?」
ブレスレットを眺めていた竜司くんの目が止まった。
プレートを見た瞬間、竜司くんの表情が固まった。
「……これを、凰成が?」
「え?あ、うん
今日、実は私誕生日で、それで…」
「ふーん、今日ね…」