私と結婚してください。



***


放課後は結局自宅へと戻った。
家に帰るとお母さんがしっかり用意してくれてあって、もう持って帰るだけになっていた。


「ありがとね」

「希依、バイオリンも持っていったら?」

「あー、バイオリンか…」


それもそうだよなぁ。
そしたら時間あるときちょっと弾けるだろうし…


「…ちょっと取ってくる」


そういって、私は自分の部屋へと向かった。

そういえば部屋って久しぶり。あんまり来ないなぁ。
前はここで竜司くんに勉強教えてもらったけど…それ以来か。 懐かしいや。


私はさっさとバイオリンを手に取った。

「……ん?」

あ、懐かしい…


手に取ったのは、中学生の頃の部活ノートだった。

中3の時は部長で、毎日毎日必死だったなぁ…
オーケストラ部、全国優勝目指してたな。


中をペラペラとめくっていくと
いきなり来る練習メニュー。


・・・外周3、腹筋300、背筋300

よくやってたなぁ。
外周きつかったなぁ…この学校、中学高校一緒だからなかなか広くて…


そっか、昔はこのくらいやってたんだよね。


当時、中学生の私はこれくらいやってたんだもん。
音大を受けると決めた今、もっと頑張らないとダメ、だよね…


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