私と結婚してください。

私と結婚してください。




***


凰成がパーティーから抜け出し、車に乗り込んですぐ、凰成のスマホがなった。


「悪い、一華だわ。
__もしもし?」


あ、一華さんか…
結局、一華さんには認めてもらえずじまいだった…
むしろ反抗して終わっただけだったな…

はぁ…まだ先は長いな、これ…


「あぁ、わかったよ。じゃあな」


電話を切った凰成に、私は恐る恐る話しかけた。


「一華さん、なんだって?」

「あ、あぁ
今度はちゃんと紹介しろよってさ」

「え、それ私のこと?」

「当たり前だろ」

「な、え?」

「…認めてくれたってことだろ?一華も」

「えぇ!?ほ、本当?」

「じゃなきゃ紹介しろなんて言わねぇだろ」

「そ、っかぁ…」


認めてくれたんだ…って、あれ?
そんな要素あったかな…

まぁいいか、認めてくれたならなんでも。


「そういや竜司の親父さんも笑ってたわ。
あそこまで自信満々にあんな演奏されたら、なにも言えないなって」

「え?竜司くんのお父さん?」


って、あの厳しいっていう…だよね?


「竜司の親父が認めるのもなかなかだよな。
希依の度胸を普通に褒めてた」

「度胸っていうか…」


あの時はもう夢中っていうか…
せっかくのパーティーなのにって思いが強くて…


「…ってか、竜司くん来てた?」

「あぁ、竜司なら西島が夕方から熱が出たとかで、パーティーには来ないって連絡着たけど」

「え、じゃあめぐの看病してるってこと?」

「だろうな」


そっかぁ…
竜司くん、なんだかんだいってもやっぱりめぐのこと大事に思ってるんだ…

そっか、よかった。


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