私と結婚してください。



「そういえば、頼くんはいつから伊織くんの姫をやってるの?」


「私は4月1日からです。
元々私の父と伊織様のお父様が一緒に起業しており、私は物心ついた頃から伊織様と一緒でした。」


「え!そんな前から!?
……っていうか、それならもしかして頼くんもお坊っちゃま…」


「んん…そうですね
本来私も神楽入りと言われておりましたが、私は伊織様の姫になると決めていましたので…」


おぉ、めっちゃ困ってる。
めっちゃ困った表情。苦笑いなんてするんだなぁ…


「じゃあ、頼くんは子供の頃から伊織くんの教育係なんだね。」


「はい。
同い年ではありますが、伊織様も私を大変頼ってくださるので。」


……好きなんだなぁ、伊織くんのこと。
友達でいいなら神楽に入るもんね。

伊織くんのお世話は他のだれにも譲りたくないんだな。


「いいね、そういう信頼関係。うらやましいな。」


「高梨さんもすぐそうなりますよ。」


「私はどうかな。」


だって私たちなんて、95%言い合いだもん。
こんなに言い合ってる主人と姫、他にいるのかな…


「あ、じゃああの3人はいつから仲がいいの?」


「私を含め、4人は小等部1年のとき、同じクラスでした。
あの3人は最初の頃言い合いばかりしていらっしゃいましたが、毎日毎日揉めて、いつの間にか一緒にいることが当たり前になったのです。」


「え、そうなの?
そんな風には全然見えない…」


「友達というものはいつの間にかなっているものです。」


……そっかぁ…
じゃあ、私もいつか吉良凰成を友達と思える日がやってくるのかな。

今はあんまり好きじゃない、というか主人と姫だからなんとか成立してるけど絶対友達にはなりたくないタイプだけど。



< 43 / 419 >

この作品をシェア

pagetop