ヒヨと11人の王子サマ









「…部長、むしろ勝てないのが正解ですよ。緋代は中学の時に三年連続全国優勝ですから。」



「…そりゃ無理だわ。」



『…でもそれ中学のときの話ですから。確かに三連覇しちゃいましたけど高校ではやってないですし。』



「…でも暇な時ぶんぶん振ってるよね。」



『部活には入ってないって意味だよ!!!』



「…しかも最初は賞金目当てだったのに剣道がどハマりしたはいいけどお金ないから必死で優勝もぎ取ってお金貰える!と思ったらトロフィーとメダルだけで凄く悲しんでたよね。しかも剣道だけじゃ飽き足らず殺陣まで習い始めたよね。」



『ちょっと氷月辞めてくれない!?めっちゃ恥ずかしいんだけど!!てかそれもう過去の話!ハンバーグじゃなくなるよ!!?ていうかなんで殺陣も習ってるって知ってるの!?』



「零兄から聞いた。」



『…兄さん…!』



零レイというのは私たちの一番上の兄さんです。



今はバリバリ働き中です。頑張ってください家族のために。



「よくわかんないけど凄いね!…あれ、そういえばもう30分以上経ってるけど大丈夫なのー?」



「…全く大丈夫じゃないです!!?うわあああ急いで行かないと!!!それじゃあ氷月と七翠怪我しないように気をつけてくださいね!!!」

















「そういえばさ、七葉くん。」



「なんですか?」



「なんで緋代って私たちには敬語なの?」



「…なんか恥ずかしいからだそうです。」






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