ヒヨと11人の王子サマ
『…って言うことだから、ごめん、今日のご飯遅れる。』
「別にいいよ。今日のご飯は俺がやっておくから、緋代も兄さんと食べてあげて。由宇と沙弥のお風呂も歯磨きもやっておくから。」
『ごめんね…ありがと。それじゃあね。』
「うん。」
…なんていうか…昨日の今日なのに頼もしくなったような気がします…氷月、本当にありがとう…。
「緋代、飯。」
『はいはい。』
「…うわ、久しぶりだよ、緋代の飯は。なんていうか…実家の味?おふくろの味か。」
『私まだ高校生なんだけどな。おふくろって言われても困るんだけどな。』
「…うん、美味い。どんどん上達してきてるな、料理。出来た妹だ。」
『今じゃアジア料理とかも出来る。』
「今度食わせろ。」
『はいはい。』
「…今度は家族全員で一緒に食おうな。」
『うん。もちろん。…ね、あの人は今どうしてるかな。』
「…知らねぇよ、あんな奴。」
『でも最近さ、振り込まれてるんだよ。お金。』
「…何それ、今更何を。」
『わかんない。…なんで今なんだろう…。』
「…俺は許さないから。母さんとお前をあんな酷い目に合わせておいて…」
『…もう過ぎたことだから。私はね、近くにいると思うんだよね、あの人。』
「…。」
『…ま、なんとなくなんだけど。…でもお金が振り込まれてるから、今は働いてるってことだよね?しかも金銭的に余裕があると。』
「……闇金じゃねぇの。アイツのしそうなこと。」
『…確かに。…というか、私的には借金の方に振り込んで欲しいんだけど…。』