ねぇ、顔を見せてよ
「顔だけじゃなくて紅子ちゃんて
存在が可愛いしなぁ…」

河野くんが染々というから…当たっているだけに
やっぱり何となく面白くない

「そう、今時珍しい純真だし…天然だけどね」

「紗由理は抜群にイイ女なんだけど、ちょいとクセある女でさ?でも紅子ちゃんはすんなり馴染んでる…アレは才能だろ」

「そうかもね…」

(オレもだいぶクセある男だしね…)

本人にクセがないからか、そう言うのを気にしないのかもしれない

「はい、珈琲…で?あの日ここまで辿り着けた理由を紅子ちゃんに話した?」

珈琲を持ってきた嵯峨さんが河野くんにピタリと寄り添うように座る

「え…いや…」

(やっぱり嵯峨さんにはバレてるか…)

「内緒で仕込んだな?フッシー」

「何をですか?河野さん…」

「お、お帰り紅子。何でもない、何でもないよ?
じゃ、行こうか?」

支度して戻ってきた紅子が不思議そうにしたので
オレは慌てて立ち上がる

「クフフフ…伏見くん、紅子ちゃんは大丈夫よ?
あなたしか見えてないから」

「そうそう、自信持ちなよフッシー」

おかしそうな嵯峨さんと河野くんの言葉に
顔が暑くなるのを感じた

(クソー、恥ずかしいな)

「巧くん?」

不安そうに見上げてきた紅子に何でもないよ?と
頭を撫でて荷物を受けとる

「じゃ紅子は連れて帰ります…御世話になりました」

「また来てねー!」

「またなー!」

嵯峨さんが紅子にウィンクして
河野くんはヒラヒラと手を振った

二人に見送られながら店を裏から出ると
紅子が珍しく自分から指を絡ませた来た

「ん?どうした?」

嬉しさを隠しながら聞くと紅子が恥ずかしそうに顔を赤らめてはにかむ

「あのね、巧くんが大好きだなって…」

「う、うん」

「昨日紗由理さんとすごく楽しくお話したんだけど
…どこかで、巧くんとお泊まりできなくて…ちょっぴり寂しかったなって…」

これは計算か?いや、天然だよな…

(この小悪魔め…)

だから道端ではあったけど腕を引いて胸に引き寄せてから
強引に唇を重ねる

「ん…た、巧く……んっ…」

甘い唇を抉じ開けて紅子の可愛らしい舌を絡める

朝陽が道に落ちてきて、鳥が鳴いているのが聞こえる

遠くからは電車の音もする
休日の幸せな朝に

恥ずかしがる紅子とのキス





< 21 / 23 >

この作品をシェア

pagetop