雪の日 ~Cross Heart~
雛子。


耳の後ろから聞こえる声。


彼女を呼ぶ、彼の声。


ねえ、どうして?


どうしてあたしを抱えながら、雛子を呼ぶの?


あたし……さすがに耐えられない。


思わずこぼれそうになる涙をどうにか堪えて、光平の腕から出ようとする。


ここでは、絶対泣けないから。


泣ける資格は、あたしにはないから。




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