永久の誓いからの逃亡
「そんな照れなくていいじゃん。
俺は嬉しかったんだよ?」

「あー、もう!」

言われれば言われるほど恥ずかしくなるっていうのに!
それをわかっててやってるでしょ?
わざとでしょ?

「でもくすぐるのは駄目だって言ったじゃん」

あ、そうだった。
くすぐったからこんなことになってるんだった。

「ごめん、つい。
怒ってる?」

聞くまでもない。
怒るって忠告されてたことをしたんだもん。
そりゃ怒って当然だよ。

「怒ってないよ」

「なんで?
怒ってるでしょ?」

「本当に怒ってない。
くすぐってきそうだなって予想してたし。
それに、好きな相手からなら大丈夫なのかもしんない」

言われてみれば、怒ってるような感じはしない。
表情も口調もいつもの優しい駿くんと変わらない。

「そういうもんなの?」

「そうみたいだよ。
ただ…」

そう言うと、唇が触れるか触れないかの距離まで近づかれる。

「ん?」

呼吸をするのが精一杯なほどに、ドキドキしてる。

「すっげー触れたくなった。
いつもはもう少し余裕あるんだけどね。

明日休みだし、今夜はゆっくり俺に愛されてみるのはどうですか?」

そんなふうに言われたら…。

一瞬間をおいて、こくっと小さく頷くと、すぐに唇を塞がれた。

こうして、なんだかんだでスキンシップがとられている私たち。

ただ、この日をきっかけに学んだことがある。

軽いスキンシップが欲しいときに、駿くんをくすぐってはいけない。
もし、くすぐってしまっては過度なスキンシップに発展してしまうというから注意が必要だ。
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