永久の誓いからの逃亡
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、駿くんを見ると意地悪く笑ってる。

全部わかっててやってる。

「今は仕事中ですから」

「あ、そう。

今日、仕事終わりにそのままうちに泊まりに来なよ」

「はい?」

泊まり?
なんでまた泊まりの話に?

その件は一旦逃げ切れたと思ったのに!

「同棲の練習、しておいたほうがいいだろ?
一緒に寝るのにも慣れておかなきゃならないだろうし」

「な、何言ってんの…」

反射的に顔が火照るのがわかる。
駿くんはこんなにもいつも通りに、楽しそうにしてるというのに、全然敵わない。
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