七瀬クンとの恋愛事情
「古坂ぁっ」
つかつかとヒールを鳴らしながら離れて行く彼女に声をかけると、一旦止まった
「お前さぁ、本当に自分の事好いてる奴にも
ちゃんと目ぇ向けてみろよ」
「………煩い、大きなお世話っ!」
正直、こんな賑わいの大通りで大した大立ち回りだったから、随分と注目を浴びていた
それに気づいたのか、古坂はさっさとタクシーを拾い乗って行ってしまった
「あ、やべっ時間………」
そんなに経っていないだろうと携帯を見ると、倫子さんからのメッセージが
【ごめん、これからまだ飲みに行くから、ちょっと遅くなりそう】
「マジかぁ………」
やっぱりアイツ、高科がいるから嫌な予感はしてたんだよなぁ
いつもあの変態ストーカー避けのため、一緒について帰るのが目的だったから倫子さんの部屋の合鍵は貰ってないし
いまさらながら飲み会の二次会に戻る訳にもいかない
「仕方ない、帰って来るまでどっかで時間潰すかぁ」
とりあえず駅にある24時間営業のファミレスで時間をやり過ごすつもりで向かおうと思ったが
「あ……」
そんな時、タイミングよく俺の携帯の着信がなった
「……はい、わかりました。じゃあ今からそっちに行きますよ」
古坂とはこれから会社で顔を合わすこともあるが、たぶん今日の事を言いふらすほどバカじゃないだろう
と、この時俺はそう高を括っていた
まさかその大立ち回りを倫子さんたちに見られていたなんて思ってもいなかった俺も、本当に大バカ者だった