七瀬クンとの恋愛事情
「倫ちゃん、どうした?」
ダメだなぁ、
お酒の酔いに任せちゃって、頭から離れなくなった七瀬くんの事で涙が止まらなくなってしまった
「……きっと、調子に乗ってたんですよ。婚活も、まして恋愛なんかぁ〜珍味は調子にのっちゃだめだってほんと……」
吐き出せば吐き出すほど惨めになって
少しの間一緒にいた七瀬くんとの日々が如何に自分にとって大きなものなのか
思い知らされる
「そんなことないよ」
高科課長の声が、そう耳を擽ぐった
気がつけば私の頭は課長の胸に引き寄せられ、肩を抱かれていて
それでいてふわふわとした意識の中で時折、タクシーの車窓のネオンの光がチカチカと目に映っていた
「倫ちゃんはいつも頑張ってるの知ってるし、俺は好きだよ」
私の肩を寄せ、抱き込まれた手が優しく私の頭を撫でた
「っ、あ…甘やかさないでくださいよぉ」
いつの間にかタクシーのシートで寄り合い、近い距離感に顔を上げ目を見開くと、
鼻が触れ合うほど目の前に課長がいて
「本当だよ、だから泣くな……」
優しい声と同時に、影がゆっくり落ちてきた
「………え?」
生暖かい感覚が唇に触れる
頭が暖かい肩に凭れかかって、それでいて私の頰は大きな手のひらに包まれていた
そして
唇を舐め啄むように何度も、
何度も重なっている感覚が続く
高科、かちょ…う?