七瀬クンとの恋愛事情
一瞬後ろめたさが頭をよぎってまともに直視出来ずに目を反らせた


「遅かったね」

明らかに不機嫌な様子だ

「…………来てたんだ、飲みに行くから遅くなるって連絡いれたのに」

マンションの階段にゆっくりと近づいて、彼の前を通り過ぎる

「ずっと待ってたの?」

上へと先に上がり始めながら過ぎた七瀬くんに振り向かず、そう問いかけると

「2人で飲んでたの?」

こっちの質問を無視されて質問で返された

「…………違う、脇谷くんと3人でだけど」

「ふぅん」

階段を上っていた足音がふぃに後ろで止まった

「?」

振り向くと、私の後ろで1階を何気に見つめる七瀬くん

「さっきの雰囲気、倫子さん高科課長と何かあった?」

「えっ?」

下からまた向き直して、私を見上げる不機嫌な七瀬くんに、一瞬胸が跳ね上がった

「べ、別に送ってくれただけだから」

「…………」

私の位置までゆっくりと上がりながら、小さく溜め息をついた七瀬くん


「課長の家って、会社近くでしょ?帰る方向って全然違うんじゃないんスか?わざわざ一緒にここまで乗り合わせてこなくても」

なんか、悪い事して尋問されてるみたいな言い方

「…………ちょっと私が飲み過ぎてふらふらしてたから、遠回りして送ってくれたのよ」

「飲み過ぎたの?男と飲んでて?」

「…………」

だから何?いいじゃないっ、昔からの仕事仲間で飲み友達なんだからっ!

って、言うつもりだったのをノドの奥に押し込めた


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