七瀬クンとの恋愛事情
顎を上げ、唇をへの字に曲げているのに、
目を見開いた七瀬くんは、両手を広げて
「……ヤバい俺、やっぱ倫子さん抱きしめていい?」
「こらこらこらっ」
覆い被さる勢いで出してきたその手の脇からすり抜け出口へ向かう
いつもいつもそんな簡単に捕まってたまるか
七瀬くんに背を向け扉までいく
「じゃあ次は違うもの買って行くから、今週末泊まりに行っていい?」
「う…………っ」
「ダメ?」
扉の前で一旦ピタリと足を止めた
「いや、週末はたぶん私のが早いからなんか作るよ」
今回の事で仕事がどうなるか分からないけど、現状増える事はないと思う
従ってたぶん週末は早く帰れるはずだ
「わかった、楽しみにしてる」
後ろからの少し弾んだ彼の声を聞いて、そのまま扉を開けた
「あっ、いたいたぁ〜松原主任」
「っ!!」
バタンッ
倉庫の扉から出てすぐにドアを閉め、咄嗟に七瀬くんを倉庫に押し込めた
「………あれ?おーい」
倉庫から一緒に出ようとしていた七瀬くんが私に目の前で締め出されて、ガチャガチャとドアノブを回す
それを抑えながら扉に立ちはだかった
「こ、古坂さんっどうしたの?私に用事だった?」
私の声に、中の七瀬くんの回していたドアノブがピタリと静かになった
「主任、今週末飲みに行きませんか?女子会するんです」
「女子会……?」
私は扉を押さえたままで、古坂さんと会話を続けた