七瀬クンとの恋愛事情
「おーい、七瀬こんなとこで何やってんだ?
買い出しは?」
俺を見つけた山下さんに声をかけられ、営業部のデスクの会話がピタリと止まり、彼らの視線がこっちに向けられた
「これからです、ちょっと雨が気になって窓の外が見たくて」
適当な言い訳で、一瞬気まずくなった雰囲気を無視してその場を離れた
「…………」
とりあえず、本来目的の買い出しへ山下さんと向った
雨足はさらに強くなる状況の中、1階ロビーで怯みながらも
傘を深くさし、多少ワイシャツの背中を濡らして買い出しを終え
部署に戻るエレベーターへ乗り込んだ
「…………はぁっ」
つい溜め息をつく
営業部の勝手な噂話が頭から離れず、買い出し中俺はずっと考え込んでいた
「山下さん、ちょっと聞いていいですか?」
濡れた背中を気にしながら、何気に山下さんに話しかけた
「ん?」
「年上と年下だと、どっちがいいです?」
「なんだ?突然、選択占いか何かか?」
俺の質問に首を傾げながら、「そうだなぁ」と考え込む山下さん
「基本年下だが、年上も悪くないよな」
ちょっとニヤっとしながらそう答える
「…………じゃあ、実家が金持ちで将来困らない生活の出来る相手と、一生一緒に頑張っていく相手は?」
「そりゃあ困らない方がいいだろ〜」
今度は即答だ
エレベーターの壁に凭れて俺を見上げながら嬉しそうに答えやがった
俺はその一言にムッと口を曲げた