七瀬クンとの恋愛事情

「ネチネチと長く片思いされるのと、チャンス到来で誘惑されるのとだったら?」

目の前の山下さんとの距離に少し詰め寄って聞いた

「ま、まぁ…チャンスはいっとかないとなぁ
やっぱり。って言うか何んなんだ?これ」

「おっさん系と爽やか系ならどうですか!」

「は?!どう考えたって爽やか系だろっ」

よしっ、これで五分五分だ

「じゃあっ!」

「まだあるのか? 一体何の占いだよ?!」

面倒くさそうな顔して逃げ腰になるのを更に詰め寄って、壁に凭れた山下さんの両側に手をついて顔を付き合わせた

「えっ? な、なんだよ」

山下さんの両手には、人が良いために脇谷主任やその他ついでに頼まれた弁当を入れたビニール袋で塞がっている

いわゆるヒヨコちゃん状態だ

これで逃げられない


「最後に………」

「お、お前………ちょっと近いぞ」

「俺と高科営業課長、どっちの方が好きっスか?」

「………………はあっ?!」

このエレベーターという密室の中で、172㎝の割と細身で華奢な山下さんは、186㎝で手足の長い俺の壁ドンにスッポリ収まっている

逃げ場のない山下さんは顔を歪めている

「お、おぉっお前ふざけるなっ!」

「ふざけてないです、真剣なんですって!」

今、自分の納得する答えが聴かないと、このモヤモヤ状態から脱出できない


「あ……」

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