七瀬クンとの恋愛事情

「もぉう…………っ」

息切れぎれで言葉が出ないかわりに、滲んだ目に涙がポロッと一筋伝って


「〜〜〜〜っ」

途端顔を手で覆いそれを拭いながら、力が抜けて腰を落とした

そんな私の状態に、七瀬くんはビックリして眉を下げた

「あ、いや………すいません、俺はただっ」

「近づくなぁァァっ!」

頭を下げて這ったまま近づいてくる彼を思いきり牽制した

「……………」


暫くその場で正座している七瀬くんは、
私が落ち着くのをひたすら待っていた


怖かったと言うよりは、むしろ情けなくて仕方ない
七瀬くんの言った通り、力で抑えられたら無力と言うかまるで子供扱いだ

確かに一人でいる時にあの人にまた戻って来られたらと思うと、身震いがする



「ちょっと俺、調子に乗り過ぎました、でも倫子さん………」

「わかってるっ!」

「……………」


「今日は……七瀬くんの言った通り、またあの人が戻ってきた時………こ…怖いから」


顔を伏せたまま息を整えて、軽く深呼吸して顔を上げた


「ここに、一緒にいて」

そう言って、瞼を上げて2m先にいる七瀬くんを見据えると、ニィっと口の端を上げ、また少し見える白い歯の見える笑顔をされた


「はい、信用してください」


「……………ぅ」


なんなんだーー

このさっきとまるで違うドキドキはっ!
鎮まれ私の心臓


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