七瀬クンとの恋愛事情

ずっとその事を責めも指摘も知っている事さえ言わない倫子さんが、

ここでその事を言いだすなんて思わなかった

『あんなの、ただの気まぐれだろ?』



本当は古坂との事をこんな風に伝えるつもりじゃなかったんだ

ただ、売り言葉に買い言葉で



まるで感情に任せたまま彼女を罵倒している自分がいた



結果、逆ギレだ
もう訳がわからない

彼女の中で何が正解なのかも分からないまま
「かえれ」と言われ俺はその部屋から出て行った


その後はずっと、連絡もしないですれ違ったまま


今日

具合の悪いながら朝出勤して、仕事の指示だけして早退した倫子さんの事を知って、
名取の席で考え込みながら俺にチラリと視線を向けた高科課長


「やっぱりあの日、髪乾かさないで帰ったからかなぁ」

「なんですか?それ、ちょっと意味深な発言ですよ高科課長」

このやり取り、明らかに俺への当て付けか?

ムカムカと胸くそわるい感じで、挑発になんか乗ってやるもんかっ



「いや、金曜日の帰りにいろいろあって、大変だったんだ大雨だったし………」


「何があったんです?」


名取が興味しんしんにそう聞くと、俺に向けてた視線を名取に戻す

「名取さん、今日退社あとに倫ちゃんちに寄るんだろ?」

話しの筋道が変わった

「えーっ」

「アシスタントとして任された仕事の報告と今後の病状の確認、聞いた話だと2、3日出て来れないんだろ?」


「うっ、確かに………」

渋々そう応えると早くも書類が積まれ始めた倫子さんのデスクを見つめた
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