七瀬クンとの恋愛事情

「ねぇ、なんで時々『倫子さん』なの?」


今回、こうして2人でいる時間が長いためか、段々そう呼ばれるのにも慣れつつあるが、やっぱり会社でそう呼ぶのは彼だけだ
それも誰もいないところでだけ………

「変ですか?」

「……いや、変じゃないけど、そう呼ぶタイミングが変っていうか……」

その質問に対して、七瀬くんはククッと口に手を当て含み笑いをした

「だって、倫子さんがそう呼べって言ったんですよ」


「へっ?!」

私が?

私が自分からそんなことを言ったんだろうか

「……………」


考え込んでも、自分でそんなことを口にした覚えはない

「覚えていませんか?俺が入社した 最初のころの飲み会の時です。その日の帰り、倫子さんだいぶ酔ってましたよね」


「最初のころ………?」

う〜ん………いつだったか?

「飲まされてましたよ、『後輩が先輩に酒を注ぐのは社会人のマナーだ』なんて言った上司の言葉を鵜呑みにして俺たちが注ぎに来たビールをグラスを空けて飲んでたの、倫子さんくらいでしたから」


あ、そんな時があったかな?


普通飲まされるのは新人男性社員と相場は決まってるのに、たぶん私だけ調子に乗って飲んでた時だろう


「酔った倫子さんの帰りのタクシーを拾い行った脇谷主任を待ってる間、俺に支えられてた倫子さんが言ったんです」

あらら、そんなころから私ったら迷惑かけてたんだ……

< 30 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop