七瀬クンとの恋愛事情

「ん?」

しかし脇谷くんもチラリとそれに視線は向けたものの
「気のせいだろ?」と興味なく取り合わなかった


脇谷くんをジッと見つめ眉をひそめる名取さん

そうだった
彼女は結構観察力が鋭いって事を忘れてた


しかし、そんな会話も知らず深い眠りについていた私の顔に視線を移しながら溜め息をついた名取さん


私も寝入ってしまったし、いそいそと帰り支度をして、二人部屋を出て鍵をかけた脇谷くん


「あ、しまった、中に忘れ物したかな…
悪いが名取、先に駅に向かっててくれるか?
後から追いつくから」

一度閉めた鍵を再度開け始め、そう言った脇谷くん

「………はい?わかりました」

素直に言われた通りマンションの階段を降りていく名取さん

それを確認すると、開けた玄関の扉の鍵を持ったまま隣の部屋の玄関に視線を向けた


「………七瀬」

「…………っ」


「お前はストーカーか、いつから居たんだ?そこに」

小田さんの部屋の扉から顔をだした七瀬くん

「少し前に、ちょっとだけここの人にお願いして…」

「それで隠れてるつもりか?
見舞いにきたなら入ってくればいいだろ」

呆れた顔して脇谷くんが玄関の扉を開けたのに、小田さんの部屋の前から動こうとしない七瀬くん

「どうした?」

「いや、今はちょっと……倫子さんの様子、どうでした?」

その様子に首を傾げる脇谷くん

「……喧嘩でもしたのか?」
< 302 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop