七瀬クンとの恋愛事情
「じゃあお礼に、私がお粥作りますね」
「「えっ!!」」
「………なんですか、その二人の驚き方は、私にだってお粥くらい作れますよぉ」
いやぁ、だって名取さんがキッチンに立つイメージが出来ないから………
とは言葉に出せず、顔を脇谷くんと顔を見合わせた
24歳にしてちょっとギャルっぽい、くるくる茶髪の女の子の名取さんだし
「あ…………なるほどねぇ」
キッチンに行く前に、テーブルに置いた高科課長が買った大袋の中からチンするだけのレトルトのお粥を手に取った
「お皿、これ使っていいですか?」
にっこり笑顔で簡単に電子レンジへ
「身体、ゆっくり治して下さいね」
「………ありがとう」
食欲はなかったが、名取さんが作ってくれたお粥をたべて、病院で処方された薬を飲むと
程よく眠気が襲ってきた
「あとはしっかり寝てろ、そろそろ帰るから」
思いのほか沈み込みそうな眠気に、脇谷くんが私の額に冷却ジェルを貼り付けてくれた
「ごめん、鍵はメルボックスに入れて置いてくれるかな………」
安心すると、一気に意識が落ちた
私が眠ってしまうと脇谷くんと名取さんで帰る用意を始めながら
ふと、名取さんが脇谷くんに声をかける
「あの、ちょっと気になったんですが……」
部屋をぐるりと見渡して、ある一点に目を向け指差した名取さんが一言
「あのワイシャツとネクタイって、私見覚えのあるんですけど」