七瀬クンとの恋愛事情
「でも俺にとって古坂は、やっぱり同僚でしか見られない。付き合ってみてそう思った」
「本気で付き合ってなんてなかったくせに」
古坂が涙目のままそう言って俺を見上げてきたのを、俺は頭を下げるしかなかった
「……….ごめん、確かにそうだった」
「そこで謝らないでよっ!サイテーじゃない」
古坂がこの写メを持っていて、脅して別れを強要した事は、決して倫子さんから聞いた訳じゃない
癪だかが、別筋から聞いたのだ
この事を始めから倫子さんに聞いていればとも思ったが
『それだと、古坂の気持ちには何の解決にならないだろ』と、言われた
俺が古坂を止めなければ
「好きな人のためになら好きでもない相手とでも付き合えるってこと…?!」
古坂の声が震えている
「………ああ」
「…………っ」
「それでもいいなら付き合うけど?」
パシッン!!
ネクタイを引っ張っぱられ、力任せに平手打ちが飛んできた
「地獄へ落ちろーーっ!」
睨みつける目からポロポロと流れて落ちる涙を拭いながら、嗚咽する
なのに俺ときたら思わず小声で呟いた
「地獄へ落ちたっていいよ俺、主任と一緒なら……」
「〜〜〜っムカつく」
もう一度振り上げた手を今度は避けようともしないで受け入れるつもりの体勢でいると、
その手は目の前で止まった
「はじめから、バラすつもりなんかなかったわよっ、あんな写真……見るのも嫌だったんだから」
「古坂…」
「………もう、いい」
「…………」
「要らないっ!私から願い下げよ七瀬なんかっ、もう顔も見たくない!!」