ヒミツにふれて、ふれさせて。
・・・
わたしたちの異変は、周りの人たちにもすぐ勘付かれてしまった。
「ねぇ、めご。ミノくんと何かあったの?」
「…」
実は昨日も、同じことを茶々ちゃんに突っ込まれている。スマホのメッセージで。だからきっと、近海くんも気づいていると思う。
…珠理からあの言葉を言われてから1週間くらいが経った頃。
どうも気まずくて、わたしは珠理と目も合わせていない。
でも、珠理だってわたしのところには来なくなってしまったし、お昼を一緒に食べることもなくなってしまったから、それはお互い様だ。
お互いに、避けているんだ。
「…いーの。珠理が多分わたしと話したくないだけだから」
…放課後。久しぶりに瀬名と出かけて、近くのカフェに入って2人で話していた。
最初はいつも話している何気ないことばかりだったのに、隙を狙われてしまったのか、なぜか珠理の話に持っていかれてしまった。
瀬名には、なんとなく話せなくて、珠理のことは言ってなかった。茶々ちゃんもだけど。
珠理のヒミツにも関わることだと思ってたし、そんなに簡単には相談できない。
でも、瀬名は「心配してたんだよ」と、眉毛を下げてわたしの方をじっと見ていた。
「…めご。話、聞いてもいい?」
「…」
…いくら、珠理に悪いからって、親友たちを悩ませたままだっていうのもダメだと思う。わたしが珠理と喧嘩(?)をして、勝手に周りに迷惑をかけているだけなんだから。
「…うん」
わたしは、珠理のヒミツの部分にはあまり触れないようにしながら、珠理に言った言葉とか、言われた言葉をそのまま瀬名に話した。
そしたら、「ミノくんってそんな事も言うんだね」と、少し驚いていた。
「そっかあ…。でも、ちゃんとめごはあれから、ミノくんのところに行って助け船出そうとしてたんだね」
瀬名は、ロイヤルミルクティーをひとくち飲むと、「えらい、えらい」とわたしの頭を撫でた。
…なんだこれ。褒められてる。
「でも、だからって。あんな冷たいこと言われちゃったら、わたしだってもうどうすればいいか分かんなくなっちゃうよ」
あの時の珠理の顔と、声と、去っていく背中は、今思い出しても、心臓がズキンと音を立ててしまう。