ヒミツにふれて、ふれさせて。
わたしは、注文した栗のタルトを口に入れながら、ため息を吐いてしまった。
「茶々ちゃんも、心配してたよ」
「…うん、昨日メッセージ来てた」
「なんて返したの?」
「…あんまり深いことは言えなくて、ただちょっと、あの電話の件で言い合いをしたって…」
茶々ちゃんは、「そう。早く解決しなよ」の一言しか反応はしていなかったけど。
でも、心配してくれているのは、分かっている。
…そんな様子を、瀬名はしばらくじっと見つめていて。
その様子に違和感を感じたから、「なに?」と問いかけると、持っていたカップを置いて口を開いた。
「…ねぇ、めご」
「…な、なに…?」
いつにも増して、ものすごく真剣な瀬名の顔。珍しくて、ちょっとコワイ。どきどきする。
「…ごめん。もう探り探りで話すの面倒くさいから、単刀直入に聞くけどさ…。めごはもう、ミノくんへの想いには、気づいてるの?」
「…え!?」
突然吐かれた、親友の言葉。びっくりした。だって、瀬名は話を聞くことは上手でも、こんなこと、積極的に聞いてくるタイプではなかったから。
「え…っ。なに、想いって…。気づいてるってなに…」
どきどき、ばくばく。
瀬名の問いかけによって、心臓が勢いよく動いていく。しまいには、連動したのか脳内に珠理の後ろ姿まで出てきたもんだから、急いでかき消した。
「別に、めごの話聞いてると、そんな風に感じただけだよ。珠理くんのこと好きなの気づいたのかなあって。間違いだったらごめんね」
「……っ」
「今だって、顔真っ赤だし。可愛いけど」
「えっ…!?」
急いで、頰を確認した。
…たしかに、あっつい。いつの間に、こんなに熱を持っていたんだろう。
あぁ、さっき、心臓が勢いよく動き出した時からかな。
冷え性で冷たくなった手の甲を、そのまま頰に押し当てる。
…なんだろう、これ。珠理に触れられた時と、同じになってる。
恥ずかしい。
…ていうか、瀬名。「気づいたのかな」って何。瀬名はずっと、そんなこと思ってたの。