ヒミツにふれて、ふれさせて。

・・・

2度目の珠理の家。まだ少し緊張した。

オジサンの車が置いてあるところをさっき一瞬だけ見たけれど、シンとした家の中を見ると、今はどこかに出かけているみたいだ。

そのことを珠理に話すと、近くの友達のところに行っていると言った。夕飯まで食べて帰ってくるということを聞いたから、もうしばらく帰ってこないと思うとのこと。


「めご、ココアとコーヒーだったら、どっちがいい?」

「えっ?あぁ…えっと、ココア…」


かちゃかちゃと、何か準備をしていると思ったら、飲み物を作ってくれていたのか。

「わたしも手伝う」と言ったら、「じゃあこれにお湯を入れて混ぜて」と言って、カップを渡された。


上着はリビングに置いておいていいって言われたから、荷物は置いて、そのままカップを片手に珠理と二階へ上がっていく。

…2回目の、珠理の部屋。前に来た時は出かけていたとはいえ、オジサンだったいたし、サユリさんの件ですぐに出てきたけど。

今日は、ちょっと状況が違う。


「…適当に座っていいわよ」

「…っ」


今日は、珠理はベッドに転がっていない。弱ってもいない。いつもの元気な珠理だ。

わたしは、ココアが入ったカップをテーブルに置いて、置かれてあったクッションの上に座った。
珠理は、向かい側に置かれていた、大きなビーズクッションにその身を預けていた。


一瞬、シンとする部屋。気まずいことはないけれど、何も音がないその空間に、そわそわしてしまう。

でも、珠理はわたしの方をじっと見て、何か様子を伺っているようだった。



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