奏でるものは 〜功介〜



溜まり場に着いて、幹部室に入ると、優も龍も昌も揃っていた。

全員が俯いたままだったが、昌が顔を上げて俺を見た。

何か、いつもと違う雰囲気だった。

その昌が、俺に言った。



「功、ちゃんと聞けよ。



………………


昨日、事故があったんだけど……それで………唯歌が……亡くなったらしい」



心臓がドキッとして、ドクドクと音を立てる。



「………本当の話か?」



「ああ」




「昨日、唯歌と会ってたのか?」


聞いてきた優に頷いた。


「……歩いて、帰るって……アイツ、歩いてって……」


あの後、なのか?


部屋を飛び出した。



バイクに乗って、唯歌の家の方に向った。








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