副社長のいきなり求婚宣言!?
「好きになっちゃったじゃないですか……副社長のこと……っ。

 こうやってまた私だけが特別なように扱われたら、自惚れちゃいます……!」


 弱々しい拳で、グレーのスーツの胸元に極弱なパンチをする。

 びくともしない副社長は、弱い拳を取り上げて開かせると、綺麗な長い指で私の手を絡め取った。


「存分に自惚れろよ。お前は俺の特別なんだから」

「……え……?」


 呆けた口に、副社長は顔を傾けて口唇を合わせてくる。

 久しぶりのキスにときめく間もなく、無防備な咥内に熱いうねりが挿し込まれた。


「……っ……!」


 心臓ごと舌を引き抜かれそうに吸い上げられると、あまりの息苦しさに喉が喘ぐ。

 見開いた目からぼろぼろと零れる涙。

 ぐっと強く腰を引き寄せられて密着度を高められると、ようやく口唇を解放され酸素を与えてもらえた。


「謙虚なんだか、鈍感なんだか……単純なくせに、変なとこ疑り深くて世話が焼ける」


 はあはあと肩で息をする私を、副社長は額を合わせて覗き込んできた。
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