副社長のいきなり求婚宣言!?
 ――“まどか。この会社を盛り上げていくのは、オレと君だよ”。


 優しい笑顔に、たくさん書いた画のほとんどを差し出した。

 その見返りに、彼は私をこの上なく愛してくれたから。

 彼が毎日私にくれていた幸せが、目の前にぶら下げられた人参だとも知らずに。


 彼にいいように使われていただけだったのだと知ったのは、彼の浮気が発覚したからだ。

 ううん、浮気相手は……私の方だった。


「“夢を実現する手助けをしたい”」


 どこかで聞いたような言葉に、過去に引き戻されていた私は、はっと目を見開く。


「どうして……」


 ……私の夢を……


「履歴書を見た。雇い主であれば志望動機ぐらいチェックする」


 受け取らなかった私に代わり、差し出されたハンカチでぐいと涙が拭われる。

 ふわりとした清潔感のある香りに吸い上げられ、零れていた感情は名残を残して止まった。
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