副社長のいきなり求婚宣言!?
「今夜は定時で上がれるか?」

「へ……?」

「業務終了後、社屋裏手の時間外通用口の前で待つように」

「え、あ、はい、りょ、了解いたしました……!」


 身体を引いたまま、業務連絡事項に有無を言わされず業務的な返答をすると、鬼気迫っていた表情がやんわりと破顔する。


「よかった。それじゃ」


 いつもの冷静で何ものにも厳しさを見せる表情とは違い、凛とした目元が柔らかく細められると、私でなくとも全女子が胸を大きくときめかせると思う。

 ぽーんと指定階への到着を知らせる音に、箱の下降が止まる。

 いつ何番のボタンを押したのかわからないエレベーターが静かに扉を開放すると、二次元の超絶イケメンもとい、長谷川副社長様は颯爽と踵を返し、革靴の踵を鳴らして明るいフロアへと吸い込まれて行った。



.
< 3 / 104 >

この作品をシェア

pagetop