副社長のいきなり求婚宣言!?
 わずかに首を傾げる副社長様は、ゆっくりと瞬き囁いた。


「まどか」


 最後のダメ押しだ。

 呼吸と心臓が、止まった。

 今、そんな優しい声で、下の名前を呼ぶなんて……ズルい。


 計り知れない大きな責任と、目を開けていられないほどの眩しい夢を背負う副社長様の真っ直ぐな思いに、応えたいと、思ってしまったじゃないですか。


 ……ううん、違う。

 もうずっと前からだ。

 この会社に入ろうと思ったとき、私はまた、純粋な夢を取り戻せるんじゃないかっていう希望を抱いていたこと。

 この瞳の前で、気づかないふりはできない。


「……はい、……がんばり、ます」


 上を向かされ、引きつった喉からは、かすれた声しか出なかった。
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