副社長のいきなり求婚宣言!?
 昨夜頑張って三枚も描いた画を、いつもの真剣な眼差しで見つめる横顔。

 仕事のときだけかける眼鏡が三種類あることを、他には誰が知っているんだろう。

 秘書課の社員とか家族とか、……恋人、とか。

 私以外の誰かがこの横顔を見ているかもしれないと考えてしまうことが、少しずつ増えてきた。


 そして、社内コンペが終わったあと、……私はもう、隣に座ることはなくなってしまうのかもしれない。

 そう思うと、他の誰かにこの場所を譲らなければいけない歯痒さが、明るい未来に弾んでいた胸を、ぎゅうっと強く絞っているようだった。



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