副社長のいきなり求婚宣言!?
副社長……
薄っすらと閉じただけの瞼を開けると、切なく苦しそうな瞳がゆらりと揺れて、額にそっと口づけを落とされる。
「こっち、おいで」
いつになく柔らかな声が私をいざなう。
手を引かれて連れられたのは、副社長室内に作られた別室。
大きなテーブルの奥。
デスクトップPCの前に座らされると、背後から伸びてきた綺麗な長い指が電源ボタンを押した。
黒い画面に浮かび上がったPCメーカーのロゴ。
それを見る私を囲うようにデスクに手をつく副社長は、背後から私を覗き込んで、また口唇を重ねてきた。
食むように落とされるキスに、胸がときめきでいっぱいになる。
どうして……?
副社長、どうしてキスなんてするんですか?
触れたところから、聞きたくても聞けない問いを送る。
私、好きなんです、副社長のこと。
だから、これ以上好きを膨らまさせないで。
……怖いの。
これを描き上げてしまったら、もうそばにはいられなくなる。
そしたら、もう描けなくなりそうで、怖い。
.