指切りげんまん。

「ごめんね、おまたせ!」

校門につくと

りょうくんは1人で待っていた。



…2人っきりはさすがに

緊張するなぁ。





「部活お疲れさま!
お昼ご飯たべいこっか!」


そう行って歩き出したりょうくんについていく私。



近くのカフェに入り、

お昼を食べた。



「これから少し散歩しない?」




りょうくんにそう誘われ、

頷く。




電車に揺られて

街から少し離れた場所へやって来た。



それから少し歩くと

丘の上からとても綺麗な景色が。



「ここから見る夕日、綺麗なんだよ」


そう行って遠くを見つめるりょうくんの横顔は
凛としていて不覚にもかっこいいと思ってしまう。



「日が沈むまでもう少しあるから

ベンチに座ろう」


私はりょうの横に座った。




「なんか、恥ずかしいな。

二人っきりって。」


沈黙がむず痒くて私がそう言うとりょうくんは少し間を置いた。



「話があるんだけどさ、…」


「うん、なにかな?」




「おれ、甲子園行けたら
言おうと思ってた事があって。」


「うん?」



「おれ、ゆいのこと…好きなんだ。
付き合ってもらえませんか?
…部活お互い忙しいし
あんまり会える時間ないかもしれない
けど、ちゃんとゆいのことは
大切にするから。」




私は突然のことに驚いた。

…だけど、嬉しい…かも。




「わ、わたしなんかでいいの?」


りょうくんは皆の人気者で

明るさとルックスの良さで女の子からも

もちろん人気がある。


私なんかでいいのかな。



「俺は、ゆいがいいんだ。

部活に一生懸命なとことか、

自分も大変な時に気遣ってくれる姿とか

いつも誰にでも優しくて

笑顔でいるところとか

ゆいの良さはよく分かってるから。

俺の選んだ人だよ、私なんかってそんな言い方しないで?」



「りょうくん…私うれしい。

私もね、りょうくんのこと好き…みたい。

…恥ずかしいな。」




「ゆい…好きになってくれてありがとう。

じゃあ、これからもずっと俺の傍にいてください。

指切りげんまん…な?」


このタイミングで指切りげんまんって

と笑ってしまった。




でもこの約束は……_






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