あなたと同居なんてありえません!

私の幸せはどこに?



「わあ、朝から会うなんて。 おはよう、陽葵ちゃん」





あぁ、ぶっ飛ばしたいなぁ。



綾小路 陽葵(アヤノコウジ ヒマリ)、最っっ悪の朝を迎えました。





「陽葵ちゃーん、お顔怖いよ? 大丈夫?」





お綺麗な顔が私の顔を覗き込んできた。



程よい大きさの二重の目に、外国人ほどではないが高い鼻、発色のいい唇。



羨ましすぎて恨んでしまいそうなくらい、整った顔立ちをしている。



おまけに、背も185センチだと、どっかの誰かが噂していた。



顔も良くて、スタイルも良いってなんなんだろう。



こんなにいいルックスをもっている人が、なぜ、こいつなのか。



私はそこに不満を募らせていた。



この男は、七瀬 玲(ナナセ レイ)。 私と同い年の高校2年生だ。



私は、この七瀬 玲という男が、この世の中で1番嫌いな生き物だ。



学校ではイケメンだと騒がれ、入学式の日から1週間も経たぬうちに〝学校1のイケメン男子〟として学校中に名を広めた。



まぁ、それだけなら苦手意識だけですんだのだが、こいつには私が最も嫌う要素が含まれているのだ。



それは────





「んーっ、やっぱり、陽葵ちゃんって元がいいから朝イチの顔も可愛いね」
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