あなたと同居なんてありえません!
「陽葵ちゃんは、卵いける?」
「いけますよ」
台所から、今度はちゃんと料理のほうを見ながら聞いてきた。
ありがとう!の返事の声は大きくて、びっくりしたけども。
リビングのドアが開いた。
スーツに着替えたお父さんがやってきた。
真っ先に香澄さんがおはようございます、と挨拶をした。
「おぉ、香澄さんおはよう。 陽葵、玲くん、おはよう」
そして、ちゃんと私たちにも挨拶してくれる。
私のあとに、〝玲くん〟ってつく日が続くのか。
……家族になるんだなって実感が湧いてくる。
「おはようございます、慧さん。 慧さん、このソファいいですね〜」
七瀬玲はさっそくお父さんに話しかけていた。
コミュニケーション能力だけはこの人抜群だからな……。
「だろう? これね、陽葵が気に入って買ったものなんだけど、僕も気に入ってるんだよ」
「へぇ、そうなんですか。 陽葵ちゃんが気に入ったものは、当たりな感じますね」
「そうだよ。 陽葵がこれいいって言ったものは、大体当たりだからね。 買って損することないから、助かってるんだ」
まぁ、ベラベラベラベラと……。
でも、確かに私がほしいと言って買ったもの、買ってもらったものは、大体損することがない。