あなたと同居なんてありえません!


でも、そんなおばあちゃんは私が中1にあがる頃、他界してしまった。



となると、私の面倒をみれる人は、お父さんだけ。



お父さんのお父さんは、なにかの病気でおばあちゃんよりも5年ほど早くに亡くなっていた。



お母さんのお母さん、お父さんは、遠いところに住んでいる上に、足腰が悪く、とても私の面倒をみれる状態じゃなかった。



お父さんは、仕事と家事を両立してくれた。



なるべく残業せずに家に帰ってきて、すぐにご飯を作り、洗濯物を干し……って、休む暇なくやってくれた。



でも、このままじゃいけないと思って、私も料理を作りはじめ、洗濯物も干すようになった。



家事ができるようになった時、お父さんは泣いてたっけ。





『陽葵〜……、成長したんだなぁ。 見せてやりたかったなぁ……』





本当にいいお父さんだと思う。



そんなお父さんに、付き合っている人がいると言われ、再婚しようと思うと言われた時は、とても嬉しかった。



相手は、七瀬 香澄さん。



見たことないけれど、お父さん曰く、美人で綺麗な方。 少し天然混じりの、面白い人だと嬉しそうに話していた。



私は、そんな香澄さんに是非とも会いたいと思っていて、むこうも私に会いたいと思ってくれているのが嬉しかった。



まぁ、お父さんの娘だから見ておかなくちゃいけないわっていう、義務感のほうが強いのだろうけど……。
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