ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
(今……近かった……)
そのことに気が付くと、どんどん頬が熱くなる。
たぶん耳まで真っ赤だろう。
とっさに自分を守るように、二の腕を抱えて抱きしめる。
そんな葵を見て、蒼佑は自嘲するように笑い、唇を引き結んだ。
「――葵。八年前、君を傷つけたことがこれでチャラになるわけじゃない。それはわかっている。結局俺がふがいないせいで、こんなことになってるんだからな」
蒼佑はそこでいったん息を吐き、新たに決意したように口を開く。
「でも俺は、今でもずっと君が好きだ。君に初めて会ったときからずっと、今日、今この時まで、ずっと、君が好きだ」
蒼佑の低い声は、少しだけかすれていた。
甘い告白というよりも、思いを告げる彼の声には、まるで嘆願のような切羽詰まった雰囲気があった。
「そんなの……」
このままでは彼の思いに引きずられてしまいそうな恐怖があって、葵はとっさに首を振っていた。
「そんなこと言ったって、あなた、恋人がいたでしょう……?」
仮に今はいなくとも、蒼佑が女性に放っておかれるはずがない。