ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

 どうしようと、完全に固まってしまう。
 そんな葵を見て、ナツメは少し拗ねたように首をかしげた。

「っていうか、葵ちゃん、俺の仕事たまには見に来てくれてもいいじゃん。普段は全然だし。もしかして、いやなの?」
「い、いやじゃないよ。見たいよ、でも姉が仕事場に来ると皆さんの邪魔になるかなって、思って、それで……」
「じゃあ来てよ。天野さんと一緒に」

 ナツメは真面目な顔で、葵に言いつのる。

(なっちゃんの仕事は見てみたいけど……でも、デートって言われるのは……なんていうか、少し抵抗があるというか……)

 葵は若干しどろもどろになりながらも、必死で頭を働かせる。

「あ、で、でも、私は休みでも、向こうは忙しいんじゃないかな……!」
「スケジュール把握してるの?」
「そっ、それはしてないけど……」
「だったら聞いてみなよ」
「うーん……」

 こういう時に、葵は、どう言い逃れをしていいかわからない。そもそもナツメに口で勝てるはずがない。葵は基本的に不器用なのだ。
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