ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

 いったい何をされるのか、何を言われるのか、まったく想像がつかなかった。

 蒼佑は、顔面蒼白のまま葵ににじり寄り、肩をつかむ。
 その手は強く、確かに目の前にいる蒼佑が、夢でも幻でもないことを感じさせる。

「なっ、なんなの!?」

 恐怖を覚えた葵が、半ば悲鳴じみた声で問いかけると、

「っ……葵っ……」

 同じく、どこか苦しそうな声で、蒼佑が葵の名を呼び、次の瞬間、長身の蒼佑の腕の中に、葵はすっぽりと閉じ込められていた。

「やっ……」

 一瞬、なにをされたかわからなかったが、抱きしめられているのだと理解した瞬間、全身からどっと汗が噴き出した。

「いやっ……」

 なんとか離れようと身じろぎするが、身長が百六十センチの葵がジタバタしたところで、男の本気の力にはかなわない。

「葵っ、葵っ……会いたかった……!」

 一方、蒼佑は切羽詰まったかのようなうめき声で、何度も葵の名前を呼び、会いたかったと口にして、腕に力を込める。

 手放したら最後、目の前から消えてなくなるとでも思っているような、そんな必死さがあった。


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