ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
その目はいつも通りの蒼佑の目で。相変わらず美しく、自分は彼の目を傷つけたりしなかったのだとホッとしたのだが。気が緩んだと同時に、葵の目からぶわっと涙が溢れた。
「っ……」
「あ、葵!?」
今度は、驚くのは蒼佑の番だった。
蒼佑としては、ちょっと葵をおどろかせようとしただけなのだが、少しナーバスになっている葵にする冗談ではなかったと、即座に態度を改める。
両手で顔を覆って泣きだしてしまった葵の肩を両手でつかみ、引き寄せた。
「ごめん、ふざけすぎた……驚かせてごめん……」
「――すっ、すっ、すごくっ、心配、したのにっ……!」
「うん、ごめん。俺が悪かった。こういう状況ですることじゃなかった。本当にごめん」
プルプルと体を震わせて泣く葵の背中を抱き締め、手のひらで撫でる。
一方葵は、どうしてこんなに涙が止まらないのだろうと思いながら、後から後から、溢れてくる涙を止められず、悔しくて、蒼佑の着ているシャツに押し付ける。
(ううん……どうしてもなにも、私、本当に、彼を傷つけたんじゃないかって……それが怖くて……傷つけてなかったってわかって、ホッとして……)