ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

「――ごめん」

 蒼佑はそのまま入り口をふさぐようにして立つ。
 やはり、話を聞くまで、葵を帰らせてくれる気はないようだ。

 本当に意味が分からない。

「いったい、どうしたいの?」

 このまま逃げても埒が明かないことに気づいた葵は、半ば呆れた口調で問いかける。

 なにを言われても驚かない。
 そう思っていたのだが、蒼佑がうめくように、ささやいたのだ。

「――ずっと後悔していた」
「え?」
「葵と、やり直したい」

 蒼佑はその瞬間だけ、それまでうつむき加減だった視線を持ち上げ、まっすぐに葵を見つめたのだった。
 だが葵は、まず耳を疑った。

「えっ……なんて?」
「葵とやり直したい……チャンスが欲しい」
「――」

 その瞬間、時が止まった気がした。

「……冗談、よね」

 そんな冗談を言われたくないが、そうとしか言えない。

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