ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

 それは葵にとって、初めて自分から蒼佑に向けた、明確な好意だった。
 こうすれば、自分の気持ちはわかってもらえると、思ったのだ。

(ちゃんと言葉にしてって、言われちゃうかもしれないけど……)

 今まで散々、ひどいことを口にしたし、素直になれなかった自覚があるので、行動で示したほうがわかりやすいだろうと、とっさに考えての行動だった。

 だが、その瞬間――。

 今まで何度も葵の唇を奪ってきたはずの蒼佑は、大きく目を見開いて、驚いたように体を硬直させた。まるで頭から雷に打たれたかのような、反応だ。
 そして葵が唇を離すと、蒼佑はみるみるうちに、首まで真っ赤に染まっていく。

「えっ、あ、あ、葵……? 今のって……」

 しどろもどろになりながら、蒼佑が唇をわななかせる。

(えっ……もしかして照れてる……?)

 怒っているわけではないと思うが、まるで純情可憐な女学生のようなリアクションに、葵まで急に恥ずかしくなってしまった。
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