ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
「その……いきなりでごめんなさい……」

 やっぱりちゃんと口に出すべきだった。

 葵はそんなことを思いながら、謝罪の言葉を口にする。

「い、いや……いや、そんな……ふぅ……落ち着け、俺……」

 蒼佑は大きな手で首の後ろを撫でた後、深呼吸を繰り返し、それから意を決したように、潤んだ目で、葵を見詰めながら、葵の手を両手で包み込むように握った。

「葵……」

 顔が近づいて、お互いの前髪が触れる感触がする。心臓がドキドキと跳ねて、うまく息ができない気がしたが、葵も勇気を振り絞って、蒼佑を見詰めた。
 そしてゆっくりと、口を開く。

「昔のあなたの方が、たしかにずっと紳士で、王子様みたいだったけど……。だいぶ強引で、びっくりするほどめげなくて、心が強くて、優しい、今のあなたを好きに、なりました……」

 その瞬間、蒼佑の目が、キラキラと歓喜の色に輝き始める。

「今まで、いろいろ言ってごめんなさい……。私、あなたが……蒼佑さんが、好き……んっ……」

 葵の告白は、蒼佑の口づけで応えられた。
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