ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
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「――ごめん」
蒼佑の謝罪の言葉に、葵はふっと笑ってしまった。
「謝るの?」
「それは……うん。ごめん……」
葵と向き合うように抱き合った蒼佑は、葵の肩の先をそっと撫でながら、ため息をついた。
「赤くなってる……はぁ……俺はなんてことを……」
自分で噛みついておいて、いざ冷静になると己の欲望がしでかしたことに後悔が押し寄せてきたらしい。とはいえ、かすかにあちこちがひりつくくらいで、特に痛みが残っているわけではない。
「私、傷跡が残りやすいたちなの。しばらくしたら治るから、気にしないで」
指先をちょっと紙で切っても、なかなか治らない自覚があるので、葵はそれほど気にしていない。
だが蒼佑は、それを聞いて、さらに凹んでいた。
「君の体に傷をつけるなんて……本当にごめん……。言い訳するわけじゃないけど、本当に我慢が出来なくて……」
そして葵の体を、胸の中に抱えるようにして抱きしめる。