ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
「はい。偶然、再会したんです。春……本当に偶然」
そして蒼佑は唇を噛みしめる。
「ですが彼女は、ずっと俺を受け入れてくれなかった。当然ですよね。八年前、彼女が俺の気持ちを確かめに家に来てくれたことを、俺は知らなかった。そしてそのまま逃げるようにアメリカに渡った。彼女からしたら、婚約破棄しておいて、見捨てたも同然です。そんな俺に振り向いてくれるはずがない」
そして蒼佑は、くしゃりと髪をかき上げる。
「でも、葵はやっと、俺を受け入れてくれた。過去の俺を許し、そして今の俺を好きになったと言ってくれた。本当に嬉しかった……こんなに嬉しかったことは、人生で二度とないと思ったくらいです」
ポーン、と音をたてて、エレベーターが停まる。
三人で、エレベーターを降り、蒼佑は立ち止まる両親に向きあう。
「でっ、でも、蒼佑さん、あなたに私は幸せになってほしいだけなのに!」
りか子が今にも泣きだしそうな顔で、息子に詰め寄る。
そう、本当に、彼女の中ではそうなのだろう。