ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
彼が注文したのはジンベースのギムレットだ。すいっと飲み干して、これで三杯目。だが最初からずっと涼しい顔をしている。その顔、たたずまいは、まるで絵画から抜け出したような美しさで、くやしいくらい様になった。
(お酒、飲めるんだ……いや、飲料メーカーの御曹司が飲めないっていうのはないか……)
葵が知っているのは、二十三歳の彼で、当然ふたりでお茶をすることはあっても、お酒の席はなかったので、なんだか不思議な感じがする。
それになにより、今日は自分の隣には渉がいる。
正確には丸いテーブルなので、葵の正面に蒼佑が座り、渉は右斜め前で、隣ではないのだが、間に渉が入ってくれているおかげで、あまり緊張しなかった。
とりあえず、渉と蒼佑がお互い軽く自己紹介をして、とりとめのない雑談で、場は何となくなごんでいる。
(津田さん、やっぱりすごいな……初めて会った男の人でも、こんな風に話せるんだもん)
自分が逆の立場なら、そもそも『三人でお茶を飲みに行こう』とは言わないはずだ。