Happy Birthday~大切な人に贈る言葉~
「そんなことないよ。」
「それだけじゃない、暇さえあれば勉強してるでしょ?あれも俺は知ってる。俺には勉強も部活も全力で頑張ることなんて出来ないよ。俺さ、歩保の夢叶うと思うよ。」
「またまたぁ。」
涙で視界が見にくくなる。
「お世辞なんかじゃない。人間、出来ないことなんかない。絶対に出来るよ。たとえ時間はかかったとしても、俺は叶うと思う。だから‥諦めんな。誰に何、言われても自分の気持ちに嘘はつくな。絶対に叶うんだから自分を信じろよ。歩保は自分が思ってるほど弱くなんかない。俺よりも強いよ。」
「そんなこと‥そんなこと‥」
涙で後が続かない。
「あるんだよ。だからさ夢、叶えよう。俺も歩保も。2人で。」
「うん。‥絶対に1回で合格する。絶対に合格する。」
「そうそう。その意気だよ。」
圭太くんは優しく私を抱きしめてくれた。
私はきっとそんな圭太の優しさにひかれたのだろう。