Happy Birthday~大切な人に贈る言葉~
そう言って私は立ち去った。
先輩のことを何も知らないのにそんな風に言われるのは我慢がならなかったし、腹が立って仕方なかった。
その一件以来、愛梨紗とは話さなくなった。
それに、いつも優しくしてくれる先輩が悪い人には見えなかった。
そんなある日のことだった。
私は先輩と一緒に帰る約束をしていたのだが、中々出てきてくれなかったので教室まで迎えに行くことにした。
2年の教室に行くと、先輩の姿が見えた。
私は声をかけようとした。‥が
よく見ると、先輩は他の女子とキスをしていた。
私は状況が読み込めず、ドアの影に身を潜めていた。
教室の中からは先輩の声が聞こえる。
「じゃあ俺、そろそろ行くわ。」
「えー、まだいいじゃん!」
「いや、そろそろ行かないと怪しまれるからな。」
そう言って先輩は帰る支度を始めた。
「ねぇ、私とあの子だったら本命はどっちなの?」
「そりゃあ、お前に決まってるだろう。あんなの、ただの遊びに決まってるじゃん。」
「じゃあ、あの告白はなんだったの?」
「中学から上がったばかりのガキに告白したら、どんな反応をするか試しただけだよ。俺って罪な男だよな。あんな、告白でコロッとやられちゃうなんてあいつも相当なバカだよな。」
先輩が笑いながら言う。
「やめときなよー。そんなことしたらあの子、怒っちゃうわよ?」
「大丈夫だって。そろそろ別れようとも思ってたんだ。まぁ、しばらくは彼氏のふりをしといてやろうかなー。」
私は聞いていられなくて、走ってその場から逃げた。
走って、走って、気がつくと私は1年の教室に戻ってきていた。
そこには‥
「愛梨紗‥。」
一人、教室で勉強していた愛梨紗がいた。
愛梨紗も私の存在に気がつく。
「英莉紗。どうしたの?帰ったんじゃなかったの?」
英莉紗の顔を見ていたら、なぜか涙が出てきた。
「ど‥どうしたの!?どこか痛いの?」
英莉紗が慌てて私の元に駆け寄ってくる。