Happy Birthday~大切な人に贈る言葉~
「圭太。なんか、女子の試合すげーことになってるんだけど‥。」
「‥‥‥‥。」
この様子を圭太は見ていた。
試合は再開されたが、どんどん葵ペアに得点をとられていく。
そんなときに、相手側から大きなフライが上がった。
私はコートからはみ出してるなんて知らずにボールを打ち返そうとした。
その時‥
「歩保!!!アウトだ!!止まれ!!」
どこからか大きな声が聞こえた。我に返った時には私はすでに、フェンスの前だった。
ガッシャァン!!!
大きな音がコートに響く。
私は地面に倒れこんだ。何が起こったのか、少しの間だけ分からなかった。
気を失っていたのか、気がつくと私は誰かにお姫様だっこをされていた。
それは‥男の人のようで‥
「‥笹江‥くん?」
「気がついたか?今、保健室に運んでる最中だからな。」
「あ‥歩けるから、大丈夫だよ。」
「大丈夫なわけないだろ。あれだけ、派手にフェンスにぶつかってるんだから。おとなしく、俺にお姫様だっこされとけ。」
圭太くんは私を下ろしてくれそうになかった。
「ねぇ、1個聞いていい?‥あの時、私の名前を呼んで知らせてくれたの笹江くん?」
一瞬の間があった。
「うん。そうだよ。あんなのアウトに決まってるだろ。それなのに、お前という奴は‥。」
「‥なんか、ごめん。‥負けたくなくて‥。」
そう言ってると保健室についた。
「失礼しまーす。先生、怪我人です。」
保健室の先生に見てもらったが、なんともなかった。
ただ、倒れたときに頭を打ったらしく軽い脳しんとうと診断された。
なので、そのまま家に帰れと言われた。
保健室を出ると圭太くんが待っていた。
「あれ?笹江くん、部活に戻ったんじゃ‥」
「怪我人、ほって帰れるわけないだろ。‥で帰るの?」
「う‥うん。帰れて言われたし、今日は帰るよ。」
「そっか。じゃあ、俺も帰ろうかな。」
突然、圭太くんがそんなことを言った。
「えっ!?でも笹江くんは、大丈夫でしょう?部活続けなよ。」
「‥いや‥なんか、今日は部活ていう気分じゃないし。それに、道の途中で倒れたら駄目だから一緒に帰るよ。」
「倒れたりなんか、しません!」
「冗談だよ冗談。途中まで一緒に帰ろうぜ。この近くに下宿してんだろう?」
「う‥うん。」
私は実家を離れ、学校の近くで暮らしている。